トピックス:フォルトトレランス5

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福島第二原発にあって第一原発になかったものとは

今日は福島第一原発の非常電源損失の事故が人災といわれる理由をもう一つ取り上げてみます。

ほぼ同じ福島のロケーションに在った福島第二原発はいったいなぜ最悪の事態を招かなかったのでしょう?

早速原子炉溶解に陥った福島第一原発と原子炉溶解を免れた福島第二原発とを比較してみましょう。

明暗が分かれた決定的な違いが第一と第二にはあります。

14mの津波に備えていなかった状況は実はどちらも変わりりません。
(こちらは後日取り上げたいと思います)

ただ最悪に備える条件は違っていました。

以前お話しした通り、先発の福島第一原発ではアメリカからのターンキーパッケージで受け取ったため、最悪の備えは竜巻やハリケーンと言わざるを得ません。

しかし、後発の福島第二原発では改訂された思想や日本の事情に備えた技術が取り入れられおり、対地震の考えが追加されました。

第二原発では非常用電源もより強度と放射能漏れを防ぐ意味から密閉性の高い原子炉建屋に設置されました。
(福島第一原発では非常用電源は海側で相対的には気密性が高くない発電建屋に設置されていました。)

強大な地震の揺れにも係わらず、どちらの原発も安全に停止しました。ここまでは素晴らしい実績だと言えると思います。

しかし想定外の高さの津波が押し寄せた時、第一原発は建屋の周りに押し寄せた津波が簡単に発電建屋の地下に浸水することを想定していませんでした。

いとも簡単に非常用電源が設置された地下まで大量の海水が浸水したのです。
結果は非常用電源が全滅という悲惨なものになりました。
現在の原発では安全停止しても高温な燃料棒を安定して冷やし続ける必要があるからです。
安定的に水の沸点よりゆとりを持たせた低い温度を保てないと原子炉が高熱に陥り、やがて溶解します。

福島第二原発では14mの津波には備えていませんでしたが、強大な地震に備えてより強度の強い原子炉建屋に設置していたのです。
結果的に原子炉建屋は強度だけでなく、放射能漏れの重大な事故に備えて気密性も高めていたことから、非常電源を浸水による事故から守ることができたのです。

第一では非常用電源を含めて全電源を喪失しましたが、第二は第一と同じように外部電源は喪失しましたが非常用電源だけは残りました。
第一では原子炉溶解から放射能漏れを起こしましたが、第二では最悪の事態には至らなかったという明暗を分ける結果となりました。

ただ結果的には第二は最悪の事態を免れましたが、リスクの分散では決して十分ではなかったことを正しく認識しておく必要があります。

子供を重大な事故や危機から守るためには簡単に想定外を起こさない準備と備えがとても重要になることを福島の事故は教えてくれていると思います。



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