トピックス:フォルトトレランス6

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内部レポートはなぜ生かされなかったのか

福島原発では14mの津波に対する備えが十分ではありませんでした。

なぜ重大な結果をもたらす想定外が受け入れられていたのでしょうか?

東北沖と同じようにスマトラ島沖では巨大地震が発生します。
2004年にはマグニチュード9を超える巨大地震と津波が発生しました。

これを受け、政府は東京電力に対策の検討を指示しています。

東京電力内ではワーキンググループの様な形で勉強会が持たれたようです。
一方でスマトラ島だけでなく、過去の地震の調査法も進歩し、869年に起きた貞観地震では今回と同じような規模の津波が発生したと考えられています。

複数の調査法で今回と同じような内陸の地点まで押し寄せた痕跡が発見されています。

東京電力の内部レポートでも福島沖で10mを超える津波の可能性が報告されていました。
せっかくの内部からの警告レポートがなぜ生かされなかったのでしょうか?

一つには前例のない対応だったことが挙げられます。
今まで東京電力だけでなく、日本国内ではそのような事故事例が起きていないこと。
4mの津波に備える例はあっても10mを超えるような対応例は一件もないこと。

今まで一件も起きていないことは過去どれくらいまで遡るべきなのか?議論が熟していませんでした。

コストダウンの意識もマイナスに働いていたと考えられます。ほとんど起きる可能性の無いことや過去に事例の無いことに費用は掛けられない傾向があるからです。

人の命にかかわる安全・危機管理では安易に想定外を許すことはできません。

今回は津波だけでなく、国と東京電力の安全基準の対応も問題となっています。
なんと日本では全ての電源の喪失を前提としなくても良いと明言されていたのです。
これは問題が大きく、また別に取り上げたいと思います。

ところで原子炉の内圧が危険なレベルに迫った時、安全弁を開くことがあれほど躊躇されたのはその悲惨な結果はシュミレーションが出来ていたからです。
一度も起きていないが絶対に起きてほしくないことには想定外が許されないはずです・・・

子供の命を守るためには今まで起きていないことは安心の対象にはなりません。
過去の事例だけにとどまっては今までにない危機が差し迫った場合に判断を誤る可能性があります。

絶対に起こしたく事故なら、安易に想定外を作らない覚悟で取り組む必要性を福島の事故は語ってくれていると思います。

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